統合失調症

統合失調症にかかると、こころや考えがまとまりづらくなるため、幻覚や妄想などの症状が起こります。他の慢性の病気と同じく経過が長くなりやすいですが、新しい薬や治療法の開発が進み、多くの患者さんが長期的な回復を期待できるようになっています。
統合失調症も糖尿病や高血圧などの生活習慣病と同じで、症状が出ないように必要な通院・薬を続けながら、気長に病気を管理していくことが大切です。

症状

陽性症状:健康なときにはなかった状態が表れる。幻覚や妄想など。
陰性症状:健康なときにあったものが失われる。意欲の低下や感情表現が少なるなるなど。

統合失調症のサイン・症状

確かに見えている、聞こえているのに、周りの人が否定する。

統合失調症で多く現れるのが幻覚や妄想の症状です。自分にははっきりと見えている、あるいは確かに聞こえているのに、家族や友人、同僚、医師などの周りの人たちに「そんなことはない」と否定されたときには、幻覚や妄想の可能性があります。

  • 幻覚
    • 実際にはないものが感覚として感じられること
  • 妄想
    • 明らかに間違った内容を信じてしまい、周りの人が訂正しようとしても受け入れられない考え

周りの人が気づきやすいサイン

幻覚や妄想の症状は本人には現実味があり、それが病的な症状だと気づきにくいことがあります。周りの人が、以下のようなサインに気づいたときは統合失調症の可能性があります。

  • 幻覚や妄想のサイン
    • 不安そうで、いつも緊張している
    • 悪口を言われた、いじめられたと訴えるが、現実には何も起きていない
    • 監視されている、盗聴されていると言うが、調べても何も見つけられない
    • ぶつぶつと独り言を言っている
    • にやにやと笑うことが多い
    • 誰かに命令される声が聞こえると言う
  • その他のサイン
    • 話にまとまりがなく、何が言いたいのか分からない
    • 作業のミスが多い
    • 熱中していた趣味、楽しみなことに興味を示さなくなった
    • 人付き合いを避けて、引きこもるようになった
    • 何もせず、ごろごろしている
    • 身だしなみに全く構わず、入浴しない
    • 感情の動きが少なくなった

統合失調症は100人に1人弱がかかる病気で珍しい病気ではありません。早く治療を始めるほど、回復も早いといわれていますので、気づいたときはお気軽にご相談ください。